オナベとSM(タケル 27歳 会社員)

オナベ

女で男で、男とSMが好き

世間ではLGBTQの権利主張が話題になったりする。
LGBTQとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・クィアの略で、さしずめSMマニアなど、性的少数者や変態という点でクィアに当たるのだろうか。

今回のお相手はトランスジェンダーのFTM(フィーメル・トゥ・メイル)、女の体で生まれた男の心を持つ、いわゆるオナベだ。
相手が純粋な男だったらプレイは断ったが、ホルモン注射のみで体はいじってないのでセックスも可能だという。
というより、体は女だが男として男に虐められたいという、複雑な注文なのだ。
いわゆるオナベでゲイでマゾというやつだ。
略してOGMとでもしておくか。
果たして普段通りSMプレイが楽しめるのか多少不安だが、なかなか得難い体験でもあるので、誘いに乗ってみることにした。

男同士で入るラブホ

待ち合わせ場所に現れたタケルはまさに「男」だった。
外見は、どこからどう見ても男にしか見えない。
顔には薄っすらひげも生えており、声も低い。
オナベだということをあらかじめ聞いていなかったら、絶対、男だと思っただろう。
「コイツとSMプレイして楽しめるだろうか?」
心の中で疑問符が沸き上がり、一気に気分が落ちていく。
うーむ、しかし乗りかかった舟なので、やるだけやってみるか。

通常ラブホはゲイ専門のところを除き、男二人での利用を断る。
いたずらや盗撮カメラを仕掛けたりといった、不正利用を警戒するのだ。
タケルの外見はどう見ても男なので、ゲイカップルでも利用を断られないようなところを前もって調べておいた。
しかし万が一、ラブホで知り合いにでも会おうものなら、後々面倒なことになりやしないかと気が引けたが、幸いそのようなこともなく無事入室することができた。
ほんと、いらん気を遣わせてくれるよタケルくん。

巨大クリトリス

ホルモン注射を打つことにより、声や外見が男性化することは理解できたが、一番驚いたのはクリトリスが肥大化することだった。
小指くらいの太さで、3cmくらい飛び出している。
小さなペニスといってもいいくらいだ。
こんなに大きなクリは初めてだったので、興奮するより不思議なものを見たような気分になった。

縄で開脚状態に固定し、股間をむき出しにした。
胸のふくらみを抑える特別なシャツを着ていたせいで最初は気づかなかったが、裸にすると胸もそこそこあり、やはり女の体をしている。
ただし顔は男だ。
肌も体毛のせいでザラザラとした手触りで、プレイの相手が男なのか女なのか、頭がバグりそうな気がした。

手始めに、小さなロケットのようなクリを虐めてみた。
電マで集中的に刺激してやるのだ。
相手が女なら「アンアン」とか「アーン」とか言いそうなものだが、タケルは「ウォー」と野太い声で遠吠えする。

「ああ、いい、いい、感じる、ウォー」
「あー、イクー」

クリを激しく刺激されたため、あっという間にタケルは昇天した。
通常であれば、電マ責めを続けられても女はまたイケるものだが、タケルの場合はそうではなかった。
一度イクと、もうすっかり冷めてしまい、その気がなくなるらしい。
続けて責めても苦痛なだけで、ちっとも気持ちよくないそうだ。
このあたりの感覚は、射精した男と同じようだ。
これもホルモン注射の影響なのだろうか。

クリの刺激は止めにして、肉棒を秘所に突っ込んでみた。
普通にセックスできるのが何とも不思議な感じがするが、肌理の粗い肌やガッチリした体格など抱き心地は男そのもので、普段のプレイとは相当違った感覚だった。
再びオナベとプレイする機会があったとしても、今回の経験から、たぶん断るだろう。
やはり女の柔肌が、私には好ましい。