悲惨な出会い(しずか 29歳 OL)

牛女
テレクラには本当に良い思い出はない。
サクラに振り回されたり、金目的だったりとろくなことがなかった。
ずいぶんと時間と金を費やしたものだが、そのつど人間不信に陥るのが常だった。
時には援助希望ではない、純粋に出会いを求めた相手とつながることもあった。
だが、そんな出会いが忘れられない悪夢であったのだ。
その日はコールもほとんどなく、いい加減帰ろうかなと考え始めた頃に電話がつながった。
思いのほか話が弾み、これならいけそうだと、つい浮かれてしまった私だった。
今にして思えば、受話器の向こうから聞こえる鼻息がやけに荒かったのが警告音だったのだが。
約束の場所にしずかはいた。
暗い公園のベンチに座っていたのでよくわからなかったが、声をかけながら近寄った私は、彼女の前で凍り付いてしまった。
そこにはまるで牛のような体格の女性が座っていたのだ。
立ち上がるとよりはっきりした。
縦横の比率がほとんど同じようなビア樽のような体型である。
痩せた女性より肉付きの良いほうが好みの私だが、これではあんまりである。
こちらが逃げ口上を考える暇もなく、しずかは私の腕を掴んだ。
縄が足りない
こうなっては腹をくくるしかあるまい。
電話で約束した通り、二人してホテルへ向かった。
もうやけくそである。
話の種にこういう経験もしてみるべきだ、などと無理に自分を納得させ縛り始めた。
いつものように縄をかけようとするのだが、普通の女性の2倍近くの胴回りのために、縄が中途半端に足りなくなるのだ。
途中でつなぎながら縛ってみても、どうにもうまく決まらない。
それでもしずかは満足なのか、「フンフン」とやたら大きな鼻息を立てて喜んでいる。
私はますます意気消沈した。
股縄を通してやると、太ももまで濡らしていたのだ。
しずかの興奮と反比例して、私はどんどん冷めていった。
「もっと、もっと」と恐ろしいリクエストが耳にまとわりつく。
耐え切れず私はしずかを床にころがした。
いわゆる放置プレイだ。
本当は私のことをほっといて欲しかっただけだが。
しずかに背を向け、私はビデオの画面に目を移した。
そこでは美しい女性があられもない姿で歓喜の声を上げている。
私の後ろでは、捕獲されたメス牛がボンレスハム状態で転がっている。
天国と地獄とはまさにこのことか。
一刻も早く一人になりたい私だった。